コラム#3

"How to Power Brass"

〜ダイナミックなサウンドで、魅せるPlayerに〜

SAX & BRASS magazine

コラム掲載分を抜粋してまとめてみました。全文はバックナンバーでご覧下さい!

第3回=ホーン・セクションへのホフク前進?!

(第4号:'07.8/28発売号より抜粋)

<<HornSpectrumとして初めて挑んだスタジオミュージシャン経験話>>

 今回は、秘密特訓と同時に、スタジオ・レコーディングの事にも触れてみましょう。Horn Spectrumに加わる前から、何度となくレコーディング・スタジオに出向いての演奏経験はありましたのが、少数精鋭ホーン・セクションの場合はそうはいきません。            〜中略〜   
・・・という中、サックスを加えての4管で、Horn Spectrumとしての「お初」レコーディング。譜面づらはさほど難しいフレーズもなかったので、タカをくくってレコーディングに臨んだのですがどうしてどうして。
「何か混じりが悪い演奏だな」となって私はいったん外され、3管で先に録って私は後で重ねるという事態に。3管でのプレイバックを聴くと、確かにニュアンスが微妙に違いました。たとえ基本演奏は、ff(フォルテッシモ)中心ではあっても、fpクレッシェンドのニュアンスや音切りのタイミング、ひとつひとつの音符の扱いの丁寧さとグルーヴ感、もちろん音程の保持等々が、ラフな演奏に聴こえる中にかなり秘められている事を痛感させられました。
居残り組に新田(一郎、トランペット)氏から一言! 「リード・トランペットをよく聴いて、集中して演奏!」って檄を飛ばされたのですが、ひとフレーズごとに何度も何度もやり直しを要求されてしまいました。私ひとりだけのためにかなり余計な時間を費やすことになり、情けないやら申し訳ないやら悲しいやら。もしこの時、個人のスタジオ・ミュージシャンとして呼ばれていたら、確実に<後は無い>状況だったと思います。

 セクション・プレイの極意は、何と言っても一糸乱れぬ一体化したグルーヴにあります。Horn Spectrumは、それまでのスタジオ・ブラスを圧倒的に凌駕する熱いパワーとスピード、相反する緻密なプレイが何物にも代えがたいセクションでした。この日のレコーディングは前回同様、第一線を走っているグループのスゴさを思い知る重要な一日でした。<事務所真夜中のラジカセ特訓>(Volume.03参照)の甲斐も虚しく、メンバーというにはまだまだ甘いと思い知らされたデビュー戦で、これでまた特訓に拍車がかかったのは言うまでもありません。