デッドニング & スピーカー・ライトチューン

Tweeter 追加前後設置

'03初夏:追加カスタマイズ挙行!
若干でも前方定位を気持ちよくしようと、最初から折角空いている「ダッシュボード上部左右の穴」
に注目。此処はオプションのSPをセットする場所らしいのですが、中はどうなっているのか?
足の長いねじを外し、目隠しの黒いボール紙を外してみると意外に小さな開口部。
奧は結構広いようです。
 この空間に高域特性の優れた「小径コーン型・フルレンジユニット」をビルトインしてみようかと
考えましたが、マグネットの大きいタイプはどうにもこうにも入りません。
残念ながら方針変更。
やはり、Tweeterを入れる事に致しました。 ホーン派の私は、出来たら質の良いユニットを!
とも思ったのですが、場所柄「真上」に向けてのセッティングになります。
埃等の侵入に全く無防備になってしまうので、これも却下。
ドーム型での選考です。 布ドームのしっとり感が欲しかったのですが、最近は金属ドームが全盛。
その中でも“割合”落ち着いた音を出している「FocalのTN45」を安く見つけました。
FOCAL TN 45 Unit。一寸磁石が小さ過ぎ!

 これを奥の金属部分に両面テープで固定。コンデンサーでローカットして設置しました。
計算値ですが、10kHz/6db/oct.にしました。 だらだら下がりの特性ですので、ドアマウントとの
繋がりも良さそうです。 真上を向けてのセッティングですので、フロントウィンドーの反射を応用、
高域の「ピンポイント」感が若干薄れ、無指向的になって拡がりが増したようです。

車載セット状態。奥ゆかしいヤツです。。

 アッテネッターをも咬まそうかとも思っていたのですが、試聴してみるとこのままでも意外と
ドアSPとのレベルバランスは悪くなさそう、よしとします。
ただ、やはり運転席側は距離が近い分レベルが大きくなってしまう傾向はありますので、
こちらだけ50Ωの可変抵抗を直列に入れ、フレキシブルに変化出来るようセットしました。

運転席側のみのTN45アッテネッター

そうなると、、リアにも欲しい気がしてくるのが人間の性(?!)ですよねぇ。。。
通常スタジオで使用している個人持ち込みモニターSPは、3年毎程度でユニットの総交換を
しております。
前回、特に問題無い時期に交換したTweeterワンセット、棚で寝ておりましたのでこれに着目。

スタジオモニター用Tweeter

これをフロントに!とも考えたのでしたが、ずっしりと巨大なマグネットのおかげで全くセット不能。
リアの設置場所を色々探します。 Tweeter ですので、バッフルは全く必要ありません。
何処に置いても良いのですが、なかなか難しい。結局、暫定案ではありますが、こんな所に
落ち着いちゃいました。
反対側の直接音は、耳に入りませんが「空気感」だけでも存在が違いますので、◎にしちゃいます。
これも特にネットワークとか組まずに、コンデンサーのみで低域をカットです。3.3μfです。 
レベルも、、BOSEの能率が良い為か、何とこれも直結で問題なさそう、、、。Simple is BEST!ですね。

密やかにこんな所へセット!

サブウーハー設置

 TB仲間のhさんに、5.1ch Systemを車内に組むのに購入した室内用システムで、余ったSW部分を
ご厚意で分けて頂きました。現在製造中止の『BOSE 501Z 』です。
自宅でSWとして使おうと思っていたのですが、試しにTBリアの回線に接続。
BOSE推奨の直列挟み接続してみたら、これは行けそう。 
殆ど意識させない超低音再生。これ見よがしの「バフバフ低音」が嫌いな私にはこれで充分かもです。
hさん、有難う御座います。。
設置場所も意外と収まりがよく、機材積載の邪魔にもならなさそう。いいぞ!

ホーム用SW BOSE 501Z

…ですので、
仕事場用サラウンドのサブシステム用SW(Mk2)は、、、何と一寸先送りになっちゃいました(>_<)。。。


第2弾デッドニング:「トーシンクロス」と「ミニソネックス」設置。

 第一弾からだいぶ立ちましたし、やはり問題点も見えてきました。
やはり、中途半端な面積の制振材では低域の共鳴感は残っており、キチンと内寸通り一面に
貼ってみたいですね。
どうせ手を付けるのであれば、今回はほぼ「〆」としたく思い、制振材に関してかなり調べてみました。
しかし「クルマ用」とされて売っているモノははあからさまに“儲け”に走っている気が致します。
何故なら、「何Hzをどの程度減衰させる」等の詳細データ・スペックが殆ど公開されておりません。
値段も内容を考えると、どう考えても法外に高いです。
 そこで最終的な所まで残ったのが、2つのメーカー「(株)トーシン」と「アライ化成(有)」でした。
どちらも真剣に作っておられ、何回かにわたる難題の質問にも快く答えて頂けました。
優劣付けがたい感じ。うぅぅむ、悩みます。。。
結論。ベースにトーシンクロス2層式を貼り制振、その上にアライ化成「F-50」で中低域を吸音させる・・・
まてよ、、一点だけ疑問点。スピーカー背面に関しては、F-50の表面の平面処理はかなり疑問!
低域の吸収率はよしとするも、中高域のスピーカーへの反射はマズイ。
 そこで思い出したのが中高域吸収率抜群、レコスタではおなじみの「SONEX」これは良いですよ
でも厚いです。
車載用ってあるのかなぁ??? そこに、仲間のてるさんから有力情報を得られました。
東京防音の「mini SONEX」アキハで売っておりました。価格も適正。実際テストすると、なかなか
イイ感触です。
これに決定。
トーシンクロス2層式7枚」ネットにて注文、、、 アキハでは「mini SONEX」購入。 
そうです。F-50は、、何と次期に持ち越しにしちゃいました。(〜まだ続くのか??)
取り敢えずこれだけでも相当の変化は得られそうですので、やはり段階での確認は必要かな?
数日後にトーシンクロス到着! 梱包が綺麗過ぎ! 自社製品をとっても大事に扱うこの精神。
恐れ入ります。
製品の凄さを「梱包から」垣間見る事となった感じですね。

トーシンさん、綺麗すぎる梱包です。。。 この大きさ、ジャストTBサイズ!凄いです。

 さて、晴天の暖かい日中、作業に入ります。例によって内張をパキパキ剥がしていきます。
トーシンクロスの大きさは1枚300mm×900mm、ジャストTBサイズ。
サイドインパクトビームの上下に貼ってフィット。いい雰囲気ですよ。。。

トーシン貼り込み完了の図

スピーカー背面のみ「mini SONEX」を重ねて貼り込みます。見た目にもなかなか!!

mini sonex をその上に貼ります。カッコイイね。

 この段階で付属のゴムシートはそのまま戻して試聴。 おぉ! 低域のだらしないブーミーさが
相当消えました。
バスドラムが非常にタイトに再生されます。このままでも何か良さそうな気配。
クルマ雑誌によく載っているような、制振材による内側面のサービスホール隠しは結論
“全く必要なし!”と判断致しました。
意外に質量の高いゴムシートですので、特に共振も無さそうですし、現状特に問題は感じません。
これで「GO!」前後とも貼りまくります。
この日は色々なジャンルのCDを聴きまくりました。

 既述の通り、2ch.再生で尚かつオリジナルメキシコ製スピーカーを変えずに、何処まで追求出来るか!
と言う限定枠内でのカスタマイズですのが、しっかりとデッドニングすると、それだけどうしても
ユニットの素性がどんどん出てきます。前ドアSPはタイトになり、大夫良くなってはきましたが、
やはり、中域の張り出しがかなり弱い。基音部分がどうやっても引っ込み気味。
 これを後ドアのBOSEで帯域補正させるのですが、例の前後SP音量バランスで探っても
どうもしっくり来ない。
何か違和感がある。何故だろう???  
そうだ。。。BOSEの悪い(失礼)癖。 小口径で頑張って低域を再生させようと言う設計思想が、
仇となってしまったのでは? 前ドアの低域と後ドアの低域が微妙に干渉しあい、気持ちの悪い
状態になっているようです。
多分、容積率の違い、各々のユニットのfoの位置の違いで、低域の位相差干渉が起きているような?? 
さぁどうしよう。 この日は取り敢えずこの状態のまま蓋をする事にします。
また手を入れられる時間が出来るまで数日間、現状維持のまま方法を考えました。

 そうだ、後ドアマウントのBOSEをスコーカー扱いにしよう! 
ま、高域は元々さほど伸びているSPではありませんので、低域だけカットする事にしました。
ネットワークを組むのも考え方ですが、簡易に大きな容量のコンデンサーだけでも意外にカット
出来ますので、CPカスタマイズ! これで行く事に決定。
この口径ですので、割合高い所からカットしようかと、約200Hzから12db/oct.程度でロールオフ
させようと、値を調べました。秋葉原で具体的に近似値のコンデンサー「82μF」を購入、
帰宅後早々に設置!!

コンデンサー。これで、激しくローカット!! 

 +側に直列につなぎます。容量の大きいモノを購入したので、SP背中にでっかい荷物に
なっちゃいました。
見事にLow Cut出来ました。楽器の中域「芯と艶」部分再生、成功です。
期せずして、リア側に「BOSE-BOSE-Studio Monitor Tweeterの3ウェイ、フロントに
「Mexico製2ウェイ+Focal Super Tweeterと言うセットが出来上がってしまいました。

 さぁ、、微調整です。  調整といっても、絶対にやってはいけないポイント、
最近のアンプによく内蔵されている「DSP」関連。使うと“確実に”音が悪くなります。
「高音、低音」つまみもいじってはいけません。フラットにしましょう。前後左右も「0」位置に、、、。
この状態で、リファレンスCDをかけてチェック! 
 私のリファレンスはGRP レーベル「Dave Grusin」の「MIGRATION」('89)ですね。
年代を超えた素晴らしい録音だと思います。
特に一曲目の「PUNTA DEL SOUL」冒頭のドライなKickと心地よいHih、続いて出てくる鮮やかなSnr Drm。
この時点でセンター定位感とF特バランスをチェック。
そして続く、輝くApfとタイトなBassランニングで、低域の量感と左右の位相感をチェック。
最初の1分以内で、再生システムの状況が大まかに把握出来ちゃいます。
スタジオでもモニター環境チェックの時は100%使用しておりますので、この際、皆さんにもお奨め
しちゃいます。。

デッドニング効果&リア・スコーカ計画、、、、懸念だったKickのブーミーさがほとんど無くなりました。
割合ドライな録音ですので、そのまま再生出来るようになり、適宜に余韻のあるタムが心地よく響きます。
ピアノの「艶」、ほのかなリバーブ感も綺麗に拡がり、シンバルのレガートも誇張無く再生してますね。
「音質」ではなく、「音楽」に没頭出来る質感までは何とかたどり着いたでしょうか?
・・・う〜〜〜む、このまま書くと、「オーディオ評」にもなっちゃいそうですので、このあたりで、、。。 
オーディオ的な問題点はまだまだ山積み(!)
ですので今後、時間を掛けて微調整を重ねて行こうと思います。
(詳細は、、、マル秘(^^;)))です。。)
 
ともかく「デッドニング」に関しては、此処までで十分かな? って気がして参りました。

 そうそう、一点だけ留意点があります。
ドア内部は雨露が情け容赦なく入り込んできます。
ミニソネ、素材が素材ですので、下手すると季節によって、水を含んだままになる可能性があります。
放っておくと腐り始め、ドアが内部から錆びてくる可能性も、無いとは言えません。
定期的な点検と交換は必要だと思います。

長文、お付き合い頂きまして、有難う御座いました。。是非参考になさってくださいね。

※CPとは「cost performance」の略です。

施工:第1弾:2003 春  第2弾:2003 夏
執筆:2004 春

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