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Recording Equipments

このコーナーでは、Recordingの現場で使われる機材等の詳細を説明致します。
作業の流れに沿った例で見ていきましょう!

1)バッキングオケの録音
(Synthe 音源を使う場合も最近は非常に多いですが、ここでは敢えて「生録音」に限定します。)
各楽器に見合ったマイクロフォンを決めていきます。これが、まず第1にエンジニアが決める事かな。
これには、打楽器、弦楽器、管楽器、和楽器、その他民族楽器等々、電気楽器以外の殆どの楽器の
鳴り方を知らなくてはなりません。
・・そんな事言っても、この歳になって「初めて見る楽器」結構まだまだ沢山あります。
その時は正直にその事を演奏者に伝え、スタジオ内で演奏を聴かせて頂きます。
スタジオ内の響きや楽器の鳴る方向性、距離感等を「自分の耳」で確認。
マイクの種類と位置を決定します。
ただ、疑問が残る時は、2,3本のマイクを立てて卓前で聴いてみてから判断する事もあります。

この時まず必要になってくるのが「マイクロフォン」の知識ですね。
これを語り出すと、またこれだけで一つのコーナーが必要になってきますので、
非常に大まかな説明を致します。(機構的な難しい話は飛ばします。)

大きく分けてマイクロフォンには2種類ある事を覚えて於いて下さい。
「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」です。イメージ分けしますと、
ダイナミックマイクは、図太く腰があってパンチがあるが、過度特性が甘い。頑丈。

【1-3】D-112

◎コンデンサーマイクは、繊細で叙情的。楽器の細かいディテールも逃さずに収録可能。
 注意点は、非常にデリケート。ぶつけたり、湿度に非常に敏感。壊れやすい!

【1-1】CU-41 【1-2】CU-44X

【1-4】414 TL-ll

 ・・ちなみに「TUBE(真空管)マイク」もコンデンサーマイクです。
 
例えば、私のドラムセット録音の標準的セッティングですと、
Bass Drum :AKG D-112 (D)+ Neumann 47FET (C)
Snare Drum:Shure SM57 (D) +SENNHEISER MD-421 (D)
Toms:SENNHEISER MD-421 (D)
Hihat Cymbal:AKG C-451EB (C)
Top Cymbals:SANKEN CU-41 (C)
For Ambience:Neumann U67,47FET,U87 etc.スタジオの響きによりまちまち
ちなみに(C)がコンデンサーマイク(D)がダイナミックマイクです。
・・・この様に、コンデンサーとダイナミックを組み合わせて使います。

次に繋ぐのが「マイクプリアンプ」
マイクから出力される電力はかなり微弱なので、調整卓(コンソール)の初段で基準レベルまで
持ち上げる(大きくする)必要が生じます。
最近は非常に良い特徴を持った外付けマイクプリアンプが多く出ていて、調整卓(コンソール)を
使わずに、外付けを使う方が圧倒的に多いですね。
微弱電流を長い距離引き回すのが嫌な場合は、演奏者の横にこれを置いて、収録する事もあります。
この種類によって、同じマイクでも全く音の性格が変わります。この選定がまた楽しいですね。
私の例では、John Hardy M1【2-1】、Avalon M2、Tube-tech MP1-A、Old Neve 1073type等々が多いです。

【2-1】John Hardy M1


やっとコンソール(調整卓)に楽器の音が入ってきました。
この段階で、個々の楽器の音質、音量等を決めていきます。
フェーダーを上げた段階で何の問題もなければ、全くいじらない事も結構多いですが、
音質、音量差に問題を感じた時、又は多少デフォルメしたイメージにする場合とかは、
敢えていじくり回す事もあります。
この時にまず登場するのが「イコライザー」と「コンプレッサー」です。

「イコライザー」の役目は、「音質補正機」です。
ちょっとなまっている音をシャキッとさせたり、逆にガチガチの堅い音を柔らかくさせたり
一言で言えば、楽器の音色を聞きやすくしたり、派手にさせたりする機材です。
多くの場合、調整卓(コンソール)内蔵のモノを使う場合もありますが、特徴を持った外付けを
使用する場合も多くあります。
私の好きなEQは、やはりNEVE1073、9098、SSL J seriesも内蔵型としては良いかな!

【2-2】 9098 HA/EQ

「コンプレッサー」は「音の圧縮機」
最近のデジタル録音は「ピーク(赤)」になると音が歪みます。
これを防ぐ役割(ばかりではないのですが)で、瞬間的に大きい音が入ってきた時だけこれを押さえる働きをします。
掛かり方を変える事によって、音圧の上下を揃える使い方も多いですね。
ただ、相当気を使ってやらないと、非常にチープになる危険性もはらんでおります。
私の愛用は楽器用 Neve 9098 CL【3-1】、ボーカル用 UREI LA-22【3-2】、
スタジオ常設モノの、UREI 1176とかTube-Tech CL1-B、等が多いですね。

【3-1】Neve 9098 CL
【3-2】UREI LA-22

これらを繋ぐ「ケーブル」によっても音が変わります。基本的にスタジオ機器は「XLR」
と呼ばれるバランス繋ぎが通例です。楽器の種類、声質によってケーブルでキャラクターを換えます。
同様に電源ケーブルでも音質は激変します。右のケースが私の愛用「N2」ホスピタルグレード。
一言で言うと<<「音」が「音楽」になる>>感じ。命です! 詳細はいずれ・・・

 
左がXLRケーブルケース。好みは「LC-OFC」


注記:文中に出てきた【数字】は、録音機材リスト中のNo.です。参照ください。

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