2)クルマの電気の基礎知識


一般的なガソリン乗用車を例に、お話をいたしましょう。
御存知のようにクルマが走行している時はガソリンを燃料にしてエンジンで動きます。
でも、最初にエンジンを掛ける時はどうするのでしょうか?
「電気モーター(セルモーター)」を一時的に廻してエンジンを始動させるのです。
この時に電力を供給している「モト」これがバッテリー(蓄電池)です。
エンジンが廻り、これによって動く力を発生させるのですが、
電力は何に使われているでしょうか?実は側面から走行の補助をしております。
先ず大事な「点火プラグ」、エンジンをキチンと廻すには、ここで火花を散らしてガソリンを
爆発させねばなりません。此処にきちんと高電圧が行かないとエンジンは不調になってしまいます。

さぁ、その他の電気部品。大まかに見ていきましょう。
まず目に付くのは(私のこだわる)「灯火関係」色々ありますよね。
照らすモノ、動きを指示するモノ、相手に意志を表示するモノ、等々かなりの数があります。
クラクション(警音器)、パワーウィンドー、オートドア、ワイパー、カーオーディオ関係、
ナビ関係、セキュリティー関係、etc.etc.....
・・・とっても沢山あるんですねぇ、クルマの電気部品って。

ちなみに、クルマの電圧は一般的に「12V」です。日本国内の家屋に供給されている電圧が100V
ですので、約1/8。感電はしませんので、そういった意味では、気楽に付き合ってください。
でも、電流(電気の流れる量)は多いので、ショートさせると車両火災につながりますので、
あなどらないで下さいね。

さて、先程の電機部品を全て「バッテリー」からの電気でまかなえるでしょうか??
答えは「×」です。では何故、あんなに小さなバッテリーでクルマは大丈夫なのでしょうか?
エンジンを掛ける時には、先程も出ました「セルモーター」という強力なモーターを廻します。
究極の事を言っちゃいますと、これが廻れば、その後バッテリーの役目は殆どありません。
この先は「オルタネーター(発電機)」がエンジンの回転軸からベルト等で繋がり、絶えずここで
クルマの走行時に必要な電力を供給します。尚かつ、ここからバッテリーにもつながっており、
余剰電力はバッテリーに供給、充電。ですのでバッテリーは「電池」なのに何年も持つのです。

ここで注意点が発覚しましたね。バッテリーはほっておくと「自然放電」といって、電圧がどんどん
下がってきてしまいます。何ヶ月も放置してあるクルマのエンジンを掛けようとしてダメなのは、
「セルモーター」を廻す最低限の電力が無くなってしまった為で、全くどうにもなりません。
こういう時「バッテリーがあがった」という言い方をします。
また、渋滞時(例えば寒い雨の夜の渋滞とか)に電力消費量の多い部品を沢山使うと、
同様な現象が起きます。
オルタネーター(発電機)は一般走行しているエンジンの回転数(車種に寄ります)を元に
発電量を決めてますので、こうした究極の場面では発電量より使用量が上回り、
バッテリーが上がってエンジン停止!という事態にもなりかねません。
ヤバそうな時は「緊急車内節電!」オーディオを切る、エアコンを切る、風量を下げる、
ヘッドライトをこまめに切る、、等々の自衛手段は効果的です。

もう一つ、クルマの電気の基礎知識として覚えて於いて頂きたい事があります。クルマの電気は
直流の」12Vという事です。簡単に言いますと「電池」です。(+)と(−)があります。
一般的な乗用車は「マイナスアース」に接続されております。
クルマは基本的に「鋼板」で出来ており、このボディーの「鉄」部分が電池(バッテリー)の(−)
に予め繋がれているのです。ボディーアースとも呼びます。
ですので、バッテリーの赤い(+)から機能部品に繋ぎ、もう片方を車体の金属部分に繋げば
何も問題なく、作動するわけです。最後に、一寸イヤかもしれませんが「公式」
W(ワット:電力)=A(アンペア:電流)×V(ボルト:電圧)
覚えておきましょう。何かに付け非常に役に立ちます。
何か電気部品を取り付ける場合、部品の作動W数を確認し、それに見合った太さのケーブル、
リレー、フューズ等を揃える為の計算式でもあります。
ケーブルの太さもこれは大体ですが覚えておきましょう。単位はsq(スケア)と呼びます。
0.50sqで60W以下、0.75sqで80W以下、1.25sqで140W以下、2.00sqで200W以下
とされてます。

さぁ、ここまでの知識があれば、もう大丈夫。自分でいじれますね。
貴方は何処から始めますか???

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